読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Meg In The World

世界を旅するフリーランス生活。28ヶ国旅して感じたことや日々のこと。

リオデジャネイロのファベーラを訪れる

f:id:megintheworld:20160721024451p:plain
Favela(ファヴェーラ)は貧民街という意味で差別的なので、コミュニティという意味のComunidade(コミニタージ)と呼ぶのが良いとされていますが、この記事ではファヴェーラと称します。

『ファヴェーラ』についてどんなイメージを持っていますか?

ギャングによる麻薬組織が蔓延しているスラム街?

敵対するギャング同士またはギャングと警察官による銃撃戦が日々起こっている?

映画 『シティ・オブ・ゴッド』の世界?

絶対に近寄ってはいけない場所?

おそらくそのイメージは間違ってはいないですが、あなたが頭の中で想像する『ファヴェーラ』と実際のファヴェーラは少し違うかもしれません。

私は今日本に居ないので見ていませんが、リオ・オリンピックが近いこともあり、日本ではTVでファヴェーラについても報道されていると聞きました。

非常事態宣言直後のファヴェーラに行く?行かない?

以前の投稿でも書いた通り、私は治安に対する不安からリオでの1ヶ月の滞在予定をキャンセルして、サンパウロに2ヶ月滞在することにしました。

リオに一週間だけ行くと決めた時も、ファヴェーラに行くつもりはありませんでした。

というのも、私がブラジルに入国した3日後の6月17日に、リオ州が財政非常事態宣言をしたのです。

非常事態宣言がされたばかりの時に、ブラジル人でさえ「治安が悪い」と言うリオで、取り分け危険だと言われているファヴェーラに行くなんて無謀だと思っていたからです。

危険だと言われているところに自ら出向くのは自己責任だとしても、万が一何かあった場合には必ず周りに迷惑をかけてしまう事になります。

それだけは避けたいし、なにより旅を続けたい。
ブラジルの文化をもっと知りたいし、学びたい事もまだまだたくさんある。

でも、ある人と出会ってその考えを変えました。

自分の目でファヴェーラを見たい。ファヴェーラを知りたい。と強く思いました。

シティ・オブ・ゴッド DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組) [DVD]

シティ・オブ・ゴッド DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組) [DVD]

  • 出版社/メーカー: アスミック
  • 発売日: 2003/12/21
  • メディア: DVD
 

 

ファヴェーラを訪れる前に知っておくべき事

f:id:megintheworld:20160721134400j:image

「ファヴェーラに行きたい」と思っても、観光客が勝手にファヴェーラに入るのは歓迎されませんし、危険です。

時々、旅行者の方で「今日はファヴェーラに行ってみよう」とフラっと単独で行ってしまう人もいるみたいですが、絶対にやめたほうがいいです。

実際にある旅行者がファヴェーラ内をウロウロして写真を撮っていたら撃たれて亡くなった、あるご夫婦が車のナビに従って運転していたら誤ってファヴェーラに入ってしまい撃たれてしまった、という事件も起こっています。

ファヴェーラには監視役もいますし、写真を撮るにもルールがあります。
当然ながら、住人はあなたがファヴェーラの住民かそうでないかは一目で分かります。

さらに、ファヴェーラ内の状況は日々変わります。
もしファヴェーラ内のどこかで銃撃戦が起こっている最中に、間違えて足を踏み入れてしまったらどうなりますか?

住民でない限り、ファヴェーラ内の状況を知る事は出来ません。

という訳で、ファヴェーラを訪れるには住人の方にガイドをお願いするのが一番です。

 

ファヴェーラ在住の日本人女性にガイドを依頼

私は旅をしながら海外在住者にインタビューをして記事を書く仕事をしているのですが、今回ファヴェーラ・ツアーのガイドをお願いしたのは、リオ滞在中にインタビューをさせて頂いた日本人女性、チグサさんです。

チグサさんはリオのソナスールにあるファヴェーラで、コロンビア人の旦那さんと1歳半の可愛いお嬢さんと暮らしています。

旦那さんはヒッピーで、マクラメ・アクセサリーを制作してコパカバーナ・ビーチで販売しています。

私が訪れるつもりはなかったファヴェーラを訪問したいと思ったのは、彼女へのインタビューがきっかけでした。

チグサさんのお話しを聞くうちに「私、自分の目で見た方がいいな。"ファヴェーラ"に対するイメージが間違っているかもしれないから、確かめたい。」と思いました。

 

地下鉄駅直結のファヴェーラ

f:id:megintheworld:20160721044959p:plain

私が滞在していたアパートメントはコパカバーナ地区で、偶然にもチグサさんの住むカンタガーロというファヴェーラの近くだったので、地下鉄の駅前で待ち合わせをしました。

多くのファヴェーラは丘の上にあるので、普通は階段や坂道を登っていかないとファヴェーラには辿り着けないのですが、なんと彼女の住むファヴェーラには地下鉄の駅から直結のエレベーターで行けるのです。

ファヴェーラ行きのエレベーターには、エレベーターを操作している男性が乗っています。

初めて訪れるファヴェーラに少しドキドキしながら、住民の方達と一緒にエレベーターに乗ります。

エレベーターが到着しドアが開くと、そこはファヴェーラの入り口。

 

ファヴェーラは一等地に立つ高級住宅街?

まずは展望台に登ってリオの街並みとコパカバーナの海を眺めます。

f:id:megintheworld:20160721045527p:plain

ファヴェーラに住む人たちは、この景色を見て暮らしているのです。

まるで高級住宅やタワーマンションから望むような景色に「ファヴェーラって高級住宅地みたいですね。」と言うと「ソナスールのファヴェーラは人気で、高級ファヴェーラのひとつなんですよ。」と教えてくれました。

f:id:megintheworld:20160721045551p:plain
リオの人気観光スポット、シュガーローフ・マウンテン(Pão de Açúcar)もこの距離で見えます。

f:id:megintheworld:20160721073016p:plain
あの有名なコルコバードのキリスト像(Cristo Redentor)も見えます。赤い丸で囲んだところ。

 

ファヴェーラの中を歩く

いよいよファヴェーラの中へ。

f:id:megintheworld:20160721052444j:plain
Museu de Favela(ファヴェーラ・ミュージアム)と描かれたファヴェーラの入り口。ファヴェーラ内にはたくさんのグラフィティがあるので、街全体がミュージアムという意味なのだとか。

f:id:megintheworld:20160721052939j:plain
メッセージを伝えるグラフィティや生活の様子を伝えるグラフィティなど様々。

f:id:megintheworld:20160721052950j:plain

f:id:megintheworld:20160721053001j:plain
「1907年、奴隷の避難所としてこの地域に・・」とファヴェーラの歴史を伝えるものも。

f:id:megintheworld:20160721053040j:plain
この絵、なんか好き。どんな意味なのだろう。。

f:id:megintheworld:20160721053031j:plain
上に行けば行くほど細くなるファヴェーラの道。僅かな隙間から陽が差す。

f:id:megintheworld:20160721053024j:plain
ファベーラ内の水道代は無料だが電気代は有料なので、自分で引けない人達はこうして電線を絡めて自分の家まで電気を送っている(頂戴している?)そう。

f:id:megintheworld:20160721053008j:plain
ファヴェーラ内にはスーパーマーケットも。

f:id:megintheworld:20160721053113j:plain
新鮮な野菜が並ぶ八百屋さん。キオスコ(スナックや飲み物などを売っているお店)や日用品を売っているお店もあります。

f:id:megintheworld:20160721053103j:plain
こちらはバー。ワールドカップ期間中は多くの人がここでサッカーを見て盛り上がっていたのだとか。

f:id:megintheworld:20160721053049j:plain
チグサさんとお嬢さん。

f:id:megintheworld:20160721053107j:plain
拾った廃材を利用して商品を作り売っている方も。

f:id:megintheworld:20160721053117j:plain
ファヴェーラのゴミ収集所。

f:id:megintheworld:20160721053129j:plain
ファヴェーラ内からはこんな風に海が見渡せる。屋根の上にある青い丸い形状のものは貯水タンク。

f:id:megintheworld:20160721053134j:plain
手前の水色と白の建物は警察署(UPP)、奥のクリーム色のビルは低所得者向けの住宅。造りも良く人気物件だそう。

f:id:megintheworld:20160721053141j:plain
ものすごーく広い教育施設。子供から大人まで誰でも無料で、語学からIT系からサーカスまで学ぶことができる。しかし残念ながらファヴェーラ内の人たちはあまり利用しないそう。

f:id:megintheworld:20160721053145j:plain
子供向けのプレイ・ルーム。幼稚園の後にここで遊ぶ子も多いそう。奥にはコンピューター・ルームや図書館も。

f:id:megintheworld:20160721053125j:plain
教育施設から徒歩5分ほどの、カーニバルのレッスンが行われる場所。

f:id:megintheworld:20160721053150j:plain
リサイクル・センター。リサイクル品をセンターに持ってくると日用品(主に清掃用品)と交換できる。現金でなくて、自宅やファヴェーラ内を美化するためのものというのがとても良いと思う。

 

ファヴェーラの中で出会った人々

ファヴェーラの中を案内していただく途中、たくさんの住民の方々とすれ違いました。

チグサさんの知り合いに出会うと、みなさん明るく声をかけてくれます。

訪問者の私にまで「やぁ!元気?」と笑顔で挨拶してくれたり、握手をして挨拶してくれる方、ご自身の生い立ちを話して下さる方もいました。

道端でタムロっていた15歳くらいの少年達が「YAKISOBA!」と声をかけてきたので、私が「YAKISOBA!」と返すと少年達はケラケラ笑って、親指を立てて「イイネ!」とウィンクをして笑顔で手を振ってくれました。
(ブラジルでは焼きそばが大人気で、SUSHIと同じくらい親しまれています。)

正直、こんな光景は全く想像していなかったし、ファヴェーラを歩く中で見かけた住民の方々の明るい笑顔や音楽をかけて踊っている姿を見て、こちらまで楽しい気持ちになりました。

帰り際、エレベータ乗り場に向かう途中、ニワトリを追いかけながら少年2人がこちらに向かって走ってきた時には、映画『シティ・オブ・ゴッド』のオープニングのワンシーンのようでしたが、映画とは全く違うとても平和な光景でした。 

レポート、終。

 

B21 地球の歩き方 ブラジル ベネズエラ 2016~2017

B21 地球の歩き方 ブラジル ベネズエラ 2016~2017

  • 作者: 地球の歩き方編集室
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド・ビッグ社
  • 発売日: 2016/02/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
ブラジル裏の歩き方

ブラジル裏の歩き方

  • 作者: 嵐よういち
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2016/04/29
  • メディア: Kindle版
 

 

ファヴェーラ・ツアーに参加して感じたこと

結論から言うと、私の想像していた『ファヴェーラ』と、実際に見た『ファヴェーラ』は違った。

もちろん、ツアーの時間内でファヴェーラの全てを知るなんて不可能だし、私が見たのは1,000以上あるファヴェーラの中のひとつの、ほんの一部でしかない。

ただ、その一部も間違いなくファヴェーラなのである。

私が目にしたファヴェーラでの生活の様子は、東京のワンルームで暮らすよりもずっと生き生きとしていて、心地よさそうだった。(もちろん、そうでない人もいるだろうけど。)

ファヴェーラ在住だからといって、必ずしも貧困に苦しんでいるとは限らないし、例え裕福でないとしても、幸せじゃないとは限らない。

高級住宅地に住んでいて、物理的に不自由なく暮らしていたとしても、みんながみんな幸せだとは限らないように。

「幸せ」かどうか決めるのは、いつだって自分自身であって、他人が判断できる事じゃない。

それに、こんなに可愛いお猿さんが毎日遊びにくるなんて!

f:id:megintheworld:20160721080032p:plain
チグサさん家のバルコニーで出会ったお猿さん。カメラ目線頂きました<3

訪れる予定のなかったファヴェーラへ行くことが出来て本当に良かった!

チグサさん、ありがとう!:-)
f:id:megintheworld:20160721053156j:plain

 

ファヴェーラ・ツアーのご紹介

ファヴェーラ・ツアーはここ数年旅行者に人気のアトラクションで、英語ツアーもたくさんあります。が、私は日本人でガイドをしている方をオススメしたいと思います。

★今回私がお世話になったチグサさん 

この記事を読んでファヴェーラに興味を持った方は、是非チグサさんにツアーの相談をしてみてください。
とっても気さくで温かく、素敵な方です!自信を持ってオススメします!

ツアーの相談はリオのファベーラを一緒に歩いてみませんか? | リオデジャネイロ エリアのチグサさんのサービス | Traveloco [トラベロコ]  または チグサさんのサイトリオデヒッピー - Rio de Hippie からどうぞ。

チグサさんBlogはこちら→ http://riodehippie.blogspot.com.br  

 

★フォトグラファーの伊藤大輔さん

グレート・ジャーニーというTV番組にもご出演され、写真家としても活躍されている方なので、ご存知の方も多いかもしれません。
伊藤さんもファヴェーラ(バビロニア)在住で、ファヴェーラ・ツアーもされているようです。
伊藤さんの奥さまがご自宅の隣で宿をやっていらっしゃるようなので、次回リオに行く時には、伊藤さんご夫妻にツアーと宿泊をお願いしたいなと思っています。

伊藤さんのツアー:http://saudade-foto.com/favela-tour/

 

最後に。ファヴェーラの住人でない私が言うのもなんですが・・・

ファヴェーラの住人や住民の生活は見世物ではありません。
あなたやあなたの生活が見世物ではないのと同じです。

ファヴェーラを訪問する際は、当然ですがそこに住んでいる方達に敬意を払い、住民の方の生活の邪魔にならないように気をつけて、「訪問させて頂いている」という事を忘れないで行動した方が良いと思います。

ツアーのガイドをしている方も、そのファヴェーラに住んでいるのです。
ガイドの方の言う事を守らずに勝手な行動を取ると、ガイドの方やガイドのご家族に迷惑がかかりますので気をつけましょう。

にほんブログ村 旅行ブログ 海外旅行へ

【写真・文】三谷めぐみ | Megumi Mitani